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プラチナのより優れた切断方法  

プラチナは融点が高いため、高温プロセスで使用される材料として選ばれています。最新のファイバーレーザは、プラチナの切断に最適な機械で、材料の利用率はほぼ100%です。

プラチナは魅力的な素材です。金と同じくらい希少な物質ですが、融点が高いため、取り扱いがはるかに困難です。1856年、ハーナウの化学者・薬剤師であったWilhelm Carl Heraeusによって、プラチナ加工の画期的な進歩がもたらされました。多くの実験の後、彼は、酸水素ガスバーナーを使用して大量のプラチナを溶かして処理できるプロセスを発見しました。 

彼が設立した会社は、その後、売上高310億ユーロの国際企業であるHeraeus Groupへと成長を遂げました。Heraeus Groupの貴金属事業部門は、世界最大の貴金属サービスプロバイダーの1つです。現在でも、プラチナはハーナウの地で製錬され、シートやワイヤーなどさまざまな製品に加工されています。

活況な市場とプラチナのニーズ

Thomas Link氏はHeraeusに17年間勤務しており、最初は製造部門の主任でした。現在は、プロセスエンジニアリング部門で機器の調達や加工方法のサポートを担当しています。「主として、プラチナシートを高度な製品に加工しています。」 

プラチナの加工は、160年以上前からハーナウで行われています。Link氏は、そのプロセスが現代の最高水準を常に満たしいることを確信しています。「これまでは、たとえば0.15mmのプラチナ板から部品を削り出したり、プレス加工していました。」残念ながら、Link氏は彼自身の製造エリアで侵食することができず、誘電体がシート層間に忍び寄った場合は手直しが必要でした。一方、古き良き時代のCNCパンチは、常に刃先の保持が必要で、素材の活用が最適とは言えませんでした。何も失われませんが、プラチナをリサイクルすることでコストも上乗せされました。

ですから、最初の部品でレーザカットを試すには、それなりの理由があったのです。「3つのパーツからなる部品を、レーザで切り出すところからスタートしました。まだ曲げたり溶接したりして、顧客のもとに行きます。」

放電加工時には、最大で50枚のシートを重ねます。Coherent ExactCut 430レーザシステムを使用して、最大400×500mmの大きさのシートから部品を切り出します。ネスティングツールソフトウェアを使用して、板金上のカットの配置を最適化し、材料の利用率を大幅に向上させます。 

生産現場で完結

本記事の執筆時点で、ExactMark 430は生産開始から7か月が経過しており、「材料が届き、機械に運ばれ、作業者がクランプして部品を切断し、寸法を測り、溶接に進む」という一連のプロセスが以前より大幅に早くなったことに、Link氏は驚嘆しています。無駄が大幅に省かれ、Heraeusの他の部署に移動することなくすべてが完結するようになりました。手直しについてはどうでしょうか?「それもありますが、それほど多くはありません。これらは小さな粒子の堆積物または飛沫です。手で簡単に取り外すことができ、まだ部品を使うことができます。」

レーザによる貴金属切断のもう1つの利点は、工具が材料に直接触れないことです。材料の中をレーザビームが滑らかに射抜きます。切断ボックスでは、切断ギャップから出た粒子が回収され、1つずつ回路に戻されます。油やほこりによる汚染はありません。微細な粒子は排気装置に集められます。それらも再処理に回されます。実際、材料の利用率はほぼ100%です。

ベンダーを選択する際に、Thomas Link氏は時間をかけて、最初に3つのサプライヤーと話をしました。「Coherentは、非常に短い時間でサンプルをカットし、すぐに望ましい結果を提供してくれました」と同氏は言います。価格も適正で、社員がCoherentで研修を受けたので、すぐに機械を使い始めることができました。

機械により多くの作業を 

では、次は何でしょうか?「現在、この機械でどの部品を処理できるかをチェックしているところです」とLink氏は言います。「もちろん、もっと大きなサイズのシートも切れるようになれば最高です」。今のところ、専用に改造した切断ボックスが限界ですが、Coherentのプロジェクトマネージャーは「何とかなる」ことを示唆しています。 

Thomas Link氏は、機械の中の旋盤ユニットについても検討しており、次のように述べています。「単純な対称回転の部品であれば切断できるのですが、まだ使っていません。それはまだ、今後数か月の課題です。」 

全体として、Link氏は非常に満足しています。新しい加工方法により、時間を節約し社内輸送を簡素化して、機械を稼働させることができるようになりました。レーザ切断はパンチングや放電加工よりもきれいで、材料の利用率は100%です。もし、Wilhelm Carl Heraeusが今日の近代的な加工方法を見たら、きっと大いに喜んだことでしょう。

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「Coherentが切断工程を迅速に実施し、良いサンプルを納品してくれたのを見て感動しました」
 

- Haraeus Precious Metals社プロセスエンジニア、Thomas Link氏

 


 



図 1: 放電加工からレーザ切断への移行は、材料が最適に利用され、廃棄物が汚染されないなど、多くの利点をもたらしました。

 

 

図 2: Coherent ExactCut 430は、さまざまな厚みの金属や合金、サファイア、人工ダイヤモンド、セラミックなどの脆性材料を自動加工するための高精度レーザ切断システムです。

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