ARMファイバーレーザが世界規模の自動車大量生産を実現

比類のない精度とユニット間の出力の一貫性が特長のARMファイバーレーザが、自動車製造の生産効率向上とコスト削減を可能にします。

 

2024年7月8日、Coherent

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Coherentでは、次のような話が常に耳に入ってきます。自動車などの大量生産を行うOEMでは、レーザ溶接システムの一貫性が生産ライン間で保たれていないため、その対応に苦慮していると。

言い換えれば、全世界の製造プロセスを統一することでコストを最小化し、さらには安全上のリスクやリコールのリスクを最小限に抑えようとしているメーカー各社が、そうした課題に苦戦しているということです。製造業において理想なのは、新しい組立ラインを設置したら、そこにレーザを統合していつでも同じ結果が得られるようにすることです。つまり、製造拠点や製造日を問わず、製造したすべての自動車部品が外観的にも機能的にも均一なものになることを望んでいるわけです。

もし溶接レーザが同一設定でまったく同じ性能を発揮しない場合、生産ライン間で一貫した結果が得られるように、メーカーは各レーザと製法の「微調整」に時間とコストをかけなければいけません。さらに、メーカーは各ラインの「微調整」のために専門家を配置する必要をなくし、開発した製法の改善を世界中の全施設で手軽に行えるようにしたいと考えています。

 

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Coherent ARMレーザは出力の一貫性が卓越しており、自動車メーカーでの導入が大幅に容易になっています。

 

Coherent ARMファイバーレーザが一貫性と再現性を実現

各メーカーはなぜCoherentにこの問題を相談するのでしょうか? それは、当社独自の特許で保護されたCoherent ARMファイバーレーザが、必要な一貫性を得られる設計になっているからです。ARMファイバーレーザであれば、レーザ装置間や工場間で製法の微調整や補完を行う必要がありません。

では、他のファイバーレーザメーカーが達成できないことをCoherentはどのように達成しているのでしょうか? 当社のARMファイバーレーザは、必要な作動精度と一貫性が得られるようにあらかじめ設計されており、製造における単価低減と歩留まりの向上を特別な労力をかけることなく達成できます。開発された製法に従って、実際に使用される際にはそれを忠実に再現するように確実に作動します。そのため、すべてのユニットが日々どのラインでも同じように一貫した性能を発揮します。

実際のところ、どの程度の性能なのでしょうか? 以下のグラフは、90基のCoherent ARMファイバーレーザの出力を実際にテストしたデータです。それぞれの出力は2.575 kWに設定しました。外部の出力メーターで測定した出力値の標準偏差は5.4 Wで、わずか0.2%でした。これは、テストしたすべてのレーザにおいて、規定の溶接作業で実質的に同一の結果が得られるということを示しています。繰り返しになりますが、これは特定の製法が長期間にわたり複数のレーザで忠実に再現されるということを保証するものです。

 

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90基の個別のCoherent FL-ARMレーザのユニット間の出力が驚異的なレベルで一貫していることを示すテスト結果

 

このように高いレベルでの一貫性を実現するために、CoherentはARMアーキテクチャに複数の機能を実装しました。そのひとつが、特許(米国、欧州、韓国、日本、中国)で保護されているリングビームとセンタービームの独立制御です。これらはそれぞれ高度に洗練された個別のクローズドループ出力制御でサポートされています。このレーザは、各導波路の実際の出力を測定・制御し、それを連続的に調整するために多数のセンサーを装備しており、これにより極めて安定した溶接性能が維持されます。

高速な用途での出力制御には、非常に堅牢で高速な制御システムが必要です。たとえば銅溶接では、業界をリードする2%という溶け込み深さの均一性を維持するためには、たとえ非常に薄いシートであっても、標準的なマイクロプロセッサによる制御ではもはや十分な速度は得られません。

ARMレーザ制御エレクトロニクスの応答性を高める方法のひとつが、5G通信を可能にするのと同じ高速FPGA(現場でプログラミング可能な論理回路アレイ)テクノロジーを組み込むことです。これにより、1つの波長だけでなく、レーザが生成し、工程で発生するさまざまな波長の光の精密監視を容易に行うことができます。

このような高出力、高速、高制御性が求められるケースでは、市場でもトップレベルの洗練されたレーザ保護システムを採用する必要があります。後方反射に対する受動的な保護は、現在ではファイバーレーザにとって「古い手法」であるという考えが一般的です。他のレーザ産業で使用されているこのような伝統的なアプローチ、すなわち、後方反射を検知したときにレーザ出力をただ低下させるだけでは、高い精度、歩留まり、再現性が要求される用途には不十分です。これは、銅のような反射性の材料を溶接する場合に特に顕著です。

一方で、当社のARMレーザ共振器は、5段階の保護スキームが組み込まれたIP保護付きの独自の単一共振器テクノロジーを使用しています。この手法は、一部の低価格システムで採用されているMOPA設計よりも安定性に優れ、運用上の脆弱性も緩和されます。ARMレーザの場合、安定性と保護のレベルが高いため、お客様に最適な生産性能を提供することができます。

Coherent ARMファイバーレーザは出力の一貫性と後方反射耐性が卓越しているため、自動車メーカーやその他の大量生産を行うOEMで、きわめて要求の厳しい溶接の課題に正面から取り組むことができます。

Coherent ARMファイバーレーザの詳細、および本製品がお客様の生産ラインにどのように貢献するかをご覧ください。