お客様事例

µLEDsのエキシマレーザリフトオフにより
光学式人工内耳を実現

課題

難聴者や聴覚障害者の聴力を回復させるため、世界中で約700,000個の電気式人工内耳(eCI)が使われています。しかし、識別できる音響の分解能が限られているため、騒音環境での会話の聞き取りや、音楽を楽しむことができません。その一つの解決策として、オプトジェネティクスを駆使して耳の神経細胞を光に反応させる方法があります。このような光学式人工内耳(oCI)を使用すれば、音の周波数に応じて内耳の領域を選択的に励起することができます。この場合32、64、または128種類の周波数チャンネルを提供して生活の質を高めることが目標となっており、実現すればこれまでよりも会話や音楽を楽しむことが可能となります。

OptoGenTech GmbHはこの分野の最先端の研究開発を行っている企業であり、ドイツ国内の4つの大学での研究を推進しているほか、Photonik Inkubator GmbH(ゲッティンゲン)から資金を提供しています。会社設立者でCTOのクリスチャン・ゴスラー博士は、「oCIとして理想的なデバイスは、薄膜形態のµLEDが無数に組み込まれているフレキシブルデバイスであると考えています。サファイア成長ウェハからLEDを取り出し、損傷させることなくフレキシブルoCI上に正確に配置することが一つの大きなハードルでした」と述べています。

ソリューション

ゴスラー博士とフライブルグ大学の研究チームは、GaNのµLEDとCoherentの248 nm COMPexエキシマレーザを採用したレーザリフトオフ(LLO)プロセスによるウェハの全面平坦加工方法を開発しました。LLOは、透明なサファイアを通してUVレーザパルスを印可する一般的な手法です。これらのパルスが界面にあるGaNの層を十ナノメートルだけ切除し、サファイアからGaNを分離させます。同氏によれば、COMPexの高いパルスエネルギーにより、一回のレーザパルスで複数のµLEDを傷つけることなく分離することができ、0.75%(1σ)の高いパルス間安定性により、最大限の加工方法ウィンドウを確保することができます。

成果

OptoGenTech独自のoCI技術の開発は飛躍的に進行し、前臨床用プロトタイプとしてのテストにすでに成功しています。臨床試験に臨むにあたって、同社は難聴者の生活の質を大きく向上させるソリューションを間違いなく実現できると考えています。同社のウェブサイトに掲載されている感動的なシミュレーションを通して、この新しいデバイスにより音楽がどのように聞こえるか体験してください。

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COMPexエキシマレーザは、高いパルスエネルギー、パルス間安定性、およびビーム均一性を備えているため、レーザリフトオフ加工方法を可能にし、難聴者の生活の質を向上させる大きなインパクトをもたらします」。

— クリスチャン・ゴスラー博士(OptoGen Tech GmbH、ゲッティンゲン、ドイツ)

 

 

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