半導体レーザ：外面的な美容以上のメリット

堅牢で効率的、そして汎用性の高い半導体レーザは、皮膚症状の治療や、タトゥーや脱毛などの美容処置を行う特殊機器の成長を続ける市場で現在広く使用されている主力機器です。

2021年10月27日、Coherent

ご存知ですか - 半導体レーザはどこにでもあります

半導体レーザは、電気エネルギーを直接レーザ光に変換する特殊なタイプの半導体チップです。これらは、他のレーザと比較して所有コストが低いこと、出力波長（色）や出力の選択肢が多いこと、コンパクトで堅牢なパッケージングであること、優れた（半導体としての）信頼性などから、現在最も多く使用されているレーザとなっています。いずれにしても、大きなメリットを備えています。

そのため、今ではあらゆるところで半導体レーザが使用されています。低出力バージョンは、すべてのバーコードスキャナー、家電製品（DVDプレーヤーなど）、自動車（距離検知、スマートドライビング、自動駐車など）に使用されています。また、高出力半導体レーザは、多くの産業用機械（プラスチック溶接や重作業工具のレーザ焼入れなど）に使用されています。また、さまざまな種類のレーザで重要な「励起」部品としても使用されており、その範囲は、血球をカウントする小型レーザから、世界で最も明るい「ビッグサイエンス」レーザにまで及びます。 Coherentは、ワットからギガワットまでの高出力アプリケーションやレーザ励起の技術リーダーとして知られています。

皮膚科領域では、半導体レーザは脱毛に広く使用されており、これは世界的に最も人気のある、手術を行わない美容処置の1つです。他の美容レーザ処置と同様に、選択性が最も重要です。周囲の組織にダメージや傷を与えることなく、患者の不快感を最小限に抑えながら最大限の効果（毛包の停止）を得ることができます。

虹色の向こうのどこかで

レーザ波長（出力の色）により、半導体レーザは優れた適合性を発揮して脱毛に選択性をもたらします。ユーザーは、毛に吸収されるレーザ出力の量を最大にし、他のもの、特に組織に含まれる血液や水分に吸収される量を最小にしたいと考えます。さて、毛の色はメラニンの存在によるもので、メラニンは可視光やいわゆる近赤外光を吸収します。（近赤外線は人間の目には見えない色で、目に見える色の範囲の赤の先にあります）。血液は、目に見えるほぼすべての色の位置で吸収しますが、赤で急に吸収を停止します。つまり、赤の先の近赤外域には、選択性の良いウィンドウがあります。その領域は、最も効率的で信頼性が高い、製造が容易で寿命も長い半導体レーザにまさにぴったりです。

しかし、それだけではありません。もちろん、自然な毛の色にはたくさんの種類があります。レーザ脱毛の専門家は、数種類の近赤外線を使ったレーザ脱毛システムを作れば、毛の色に関係なく、安全で痛みのない治療ができることを発見しました。 Coherentは、この目的のために3、4種類の波長の出力バランスを取った「レインボータイプ」のユニークな製品を取り揃えています。

図.脱毛のコツは、メラニンには吸収され、血液には吸収されないレーザの波長（色）を使うという選択性にあります。

肌を滑らかに

肌の引き締めも人気の高い美容処置です。多くの場合シワ取りのために単独で行われたり、脂肪吸引の後に緩んだ皮膚を引き締めるために行われたりします。さて、ここでレーザ光を皮膚の下まで届けてその下にあるコラーゲンという組織を温めたい場合を考えてみましょう。これは、フラクショナルリサーフェシングという巧みな方法で行われます。炭酸ガスレーザを用いて、皮膚の表層に微細な穴を開けます。その後、1550 nm付近の半導体レーザ光を皮膚に照射します（このレーザは偶然にも光ファイバー通信でも役立っています）。この光は、小さな穴を比較的穏やかに通過して直下のコラーゲンにうまく吸収されます。これにより、コラーゲンが加熱されて引き締まり、肌が引き締まって滑らかになります。