レーザ切断マシン

レーザ切断マシンとは

機械的な刃物やドリルビットではなく、集光されたレーザビームで金属、プラスチック、誘電体などを切断する統合マシンです。 一般的なマシンは、レーザ、ビーム伝送光学系、部品や光学系を動作させるためのモーションハードウェア、オプションのビジョンシステム、統合制御ソフトウェアで構成されています。

つまり、レーザ切断マシンは、集光または成形したレーザビームを使用して、材料を選択的に除去(アブレーション)する精密な工具として機能します。 アブレーションプロセスは、レーザのパラメータと切断する材料の種類によって、光熱または(冷)光アブレーションのいずれかです。 このアブレーションは、スルーカット、ドリルホール、スクライビング(特定の深さや材料界面までの切削)のために使用できます。 材料は、薄いプラスチックフィルムから数mmの厚さの金属まで、さまざまなものがあります。 

固定されたワークピースの上をレーザビームを走査させるマシンもあります。 また、レーザビームを固定し、ワークピースの方を移動させるマシンもあります。 さらに両方を組み合わせて使用するマシンもあります。 重要なのは、マシンのさまざまな部品とその動作がすべてソフトウェアでシームレスに統合されており、通常はユーザフレンドリーなGUIで制御されていることです。 最新のマシンは、IoTやインダストリ4.0に対応しています。 また、アプリケーション開発込みのパッケージで機械を購入し、特定の作業用にマシンメーカーが作成した「レシピ」をソフトウェアやハードウェアにロードした状態で取得する場合もあります。 

以下では、これらのコンポーネントの一部を詳しく説明します。

 

作動中のレーザ切断マシン

ビーム、部品、またはその両方の移動

機械的な旋盤やフライス盤と同様、レーザ切断マシンも、加工する基板に対して相対的に集光ビームを移動させることで切り口を形成します。 これには、(a)レーザビームを固定し、部品を動かす、(b)部品を固定し、レーザビームを動かす、(c)両方を組み合わせて動かす、の3つの方法があります。 後者の組み合わせは、切断形状の自由度が最も高くなります。 部品の移動には、直動ステージを用いたxyz方向の移動と、回転ステージを用いた回転による移動2種類が一般的です。 前者は平面的な部品に、後者は筒状や3D形状の部品に使用されます。 レーザビームは、ガントリーなどに設置した部品の上を集光レンズが移動する「フライングオプティクス」を使って動かしたり、いわゆるFシータレンズの後ろにオプトガルバニックミラーを配置して高速スキャンすることで、フラットなスキャンフィールドを実現したりすることもできます。

レーザ切断マシンは、部品と集光レーザの両方を動かすことができるため、管状部品、平面パターン、各種3D形状など、あらゆる形状の加工に対応するように設計できます。 CADファイルで作成できる部品であれば、それをブランクの基板から作成できるレーザ切断マシンが存在します。

 

一般的なレーザの種類

レーザ切断マシンに搭載されるレーザは、シールドCO2レーザ、ナノ秒ファイバーレーザ、超短パルス(USP)レーザの3種類が一般的です。 切断する材料の種類、厚み、要求されるエッジ品質によって最適なものを選択してください。

シールドCO2レーザは、中赤外域で高出力を実現するため、セラミック、紙、石、プラスチックなど様々な材料の切断に最適です。 数ワットから数百ワットの出力で、性能とコストのバランスをとることができるため、高速切断に適しています。 しかし、エッジ品質が熱の影響を受けることが多く、用途によっては後処理が必要な場合があります。

ナノ秒ファイバーレーザは、現在レーザ切断市場で最大のシェアを占めています。 出力を赤外線と可視光から選択でき、金属、プラスチック、その他の有機物など、さまざまな素材に適用できます。 ミクロン単位の精度で切断できるため、医療機器や再利用品の切断に適しています。 しかし、ステントのように高いエッジ品質を必要とする用途では、後処理が必要です。

ピコ秒またはフェムト秒のパルス幅を持つUSPレーザは、赤外線、可視光線、紫外線のいずれかの出力で使用できます。 パルス幅が短いため、熱影響部(HAZ)がほとんどない、比類のないエッジ品質を実現します。 このため、きわめて要求の厳しい切断やスクライビングのアプリケーションでも、多くの場合、後処理が不要です。 ただし、ワットあたりのコストは最も高くなります。 また、出力が数ワットから数十ワットと比較的低いため、切断速度が制限されます。

結論: 切断アプリケーションに最適なレーザを使用するには、これらのオプションをすべて提供しているベンダーを利用する必要があります。

 

ソフトウェア、自動化、加工方法の監視

レーザ切断マシンが明確に目指す目的は、レーザを利用するための専門的な訓練の必要なしに、切断アプリケーションのターンキーソリューションを提供することにあります。 操作は、フォーマットに応じて、半手動から閉ループ制御の完全自動化までさまざまです。 自動パーツフィーダーのオプションを使用すると、長時間の無人運転によって数百から数千のパーツを切断できます。

ソフトウェア制御は、一般にオブジェクト駆動型のユーザフレンドリーなGUIを使用して実装されています。 たとえば、Coherentの切断マシンの多くに付属するLaser Frameworkは、プロセス設計、実行、監視を視覚表示によって効率化します。 これにより、ジョブセットアップが迅速化され、オペレーターの生産性が向上するとともに、生産エラーが減少し、人員トレーニングを削減できます。

先進的なレーザ切断マシンには、ビームが仕様どおりに正確に動作していることを確認するためのレーザモニタリングのオプションも用意されています。 AIにより、モニタリングシステムにレーザエラーの理由が表示されることもあります。

 

マシンの特殊化

用途に応じた最適化という観点で見ると、レーザ切断マシンは、汎用機から、特定のアプリケーションや産業向けに最適化された機械、特定のタスク向けに最適化された機械まで、さまざまなタイプがあります。

Coherent製MPSシリーズのような汎用機は、多くの選択肢とオプションが用意されていることが特徴です。 マシンの大きさ、切断台の詳細、レーザの選択、動作軸(リニアとロータリー)はすべてユーザが指定できます。

特定の用途に最適化されたマシンの例としては、医療機器製造(MDM)で特に人気のあるStarCut Tubeシリーズがあります。 これらのマシンは、ファイバーレーザやUSPレーザを使用した小型部品の精密切断に最適化されています。 主に管状部品を対象としていますが、小型の平らな基板からの切断も可能です。

「シングルタスク」マシンの一例として、NAニードルドリリングシステムがあります。 この製品シリーズは、望ましくない熱損傷を与えることなく従来の小型縫合針の止まり穴を開けることのみを目的として構成されています。

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